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フロンと地球環境
フロンとオゾン層破壊
フロンは、正式名称をフルオロカーボンといいます。CFC、HFCなど数種類あります。

フロンと地球環境
不燃性であること、人体に毒性がないことなどから、特に冷蔵庫、エアコンなどの冷媒として、また発泡、洗浄など様々な用途で利用されてきました。
ところが近年、オゾン層の破壊、地球温暖化といった地球環境への影響が明らかになってきました。そこで、より影響の小さなフロンや他の物質への代替が勧められ、さまざまな取り組みが生まれています。

1988年、モントリオール議定書が取り交わされ、オゾンホール破壊につながるフロンの生産・輸入の規制が開始されました。これによってオゾンホールの拡大は徐々に収まりましたが、縮小の兆しがあるとはいえません。
その後、地球温暖化防止策として2002年より、日本は京都議定書において、温室効果ガス(地球温暖化に影響を及ぼす)HFC、二酸化炭素を含む6つのガス排出量を、合計で6%削減する約束をしています。
フロンに関わる法律施行
2002年4月1日より、フロン類の回収・破壊を徹底するため、特定製品が廃棄される際にフロン類を回収すること等を義務付けた「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」が施行されました。この法律を「フロン回収破壊法」といいます。
業務用冷凍空調機器を廃棄する際は、適正な料金に基づいて、都道府に登録された第一種フロン類回収業者にフロン類の回収を依頼することになっています。
2007年10月1日より法律を改正し、より明確な回収義務及び管理制度が施工されました。今回の法改正では、第一種特定製品からのフロン類の回収を一層徹底するため、以下の事項等が新たに規定されました。名称も「改正フロン回収・破壊法」と変更されています。
(1)行程管理制度の創設(フロン類の引渡し委託等を書面で管理する制度)
(2)第一種特定製品の整備時におけるフロン回収義務の明確化
(3)建築物等の解体時における第一種特定製品の設置の有無の確認・説明義務
(4)第一種特定製品の部品等のリサイクル時におけるフロン類の回収義務
※部品等のリサイクルを目的としてリサイクル業者等に機器を譲渡する場合
(5)都道府県知事の指導権限等の強化
フロン類の現状と法律改正
フロン類の現状では、オゾン層破壊効果を持つフロン類(CFC等)は、着実に削減され、2009年末には、生産も中止、HCFC(R22等)も2020年に生産が先進国で中止されます。
他方で、代替フロンとして使用されてきた代替フロン(HFC等)は高い温室効果をもち、排出量が急増し、10年後には二倍以上となる見通しです。
現行のフロン法によるフロン廃棄時回収率は3割で推移し、機器使用時の漏えいが排出量増加の一端になっています。
また、国際的にも規制強化の動きがとられています。
フロン類のライフサイクル全体で対策をとるべく、フロン類及びフロン類使用製品のメーカー等や業務用冷凍空調機器のユーザーに対して、フロン類の使用の合理化や管理の適正化を求めること等を目的とした「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の一部を改正する法律」が2013年6月12日に公布されました。なお改正により、法律の名称が「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(フロン排出抑制法)と改められます。
詳しくは「フロン排出抑制法(改正フロン法)」をご覧下さい。
ガス排出量削減のためには

では実際、どうすることがガス排出量の削減に結びつくのでしょう。
もっとも大切なことは、フロン類の回収・故障等によるフロン放出防止です。
各分野でノンフロン化が勧められてはいますが、まだ実用化が完全ではない分野もあります。フロン類の大気中への放出を抑制していくためには、フロン類の回収が最重要と考えられていましたが、新たに機器使用時のフロン漏えい防止が必要です。
これによって、過去に生産された機器・製品からのフロン類の放出も防止できます。
身近なところでは、家庭用の古い型の冷蔵庫からは、1台あたり約0.05から0.2kgのフロンが、エアコンからは1台あたり約0.5から3kgのフロンが回収できます。
(例:業務用冷凍冷蔵機器は年間13~17%漏えい)
そして業務用エアコンでは、多いものでは1台あたり200kgのフロンが充填されています。業務用エアコンが稼動している台数を考えると、フロン回収と漏えい防止が、いかに大きな意味を持つか想像できます。
フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律「フロン排出抑制法(改正フロン法)」についてはこちらでご覧ください。